2024年データベーススペシャリスト試験:受験体験と勉強法を徹底解説
目次[非表示]
- 1.はじめに
- 2.データベーススペシャリスト試験ってなに??
- 3.受験するメリットは??
- 4.勉強期間と勉強方法
- 5.受験をしてみて…
- 6.最後に
はじめに
みなさんこんにちは!株式会社divxのエンジニア新見です。
本記事では、データベーススペシャリスト試験を受験した体験談をシェアしようと思います。
来年受験を予定されている方、高度試験に興味がある方、データベース(DB)に関心のある方にとって、役立つ情報を提供します!
受験日:2024年10月13日(日)
データベーススペシャリスト試験ってなに??
データベーススペシャリスト試験とは、日本の情報処理推進機構(IPA)が実施している情報処理技術者試験の1つです。
よくわからないと思うかもしれませんが、IPA試験を受験したことがある方なら、一度はこの図を見たことがあるかと思います。
これの「データベーススペシャリスト試験(DB)」を受験してきました。
データベーススペシャリスト試験の構成は以下の通りです。
午前Ⅰ |
午前Ⅱ |
午後Ⅰ |
午後Ⅱ |
|
試験時間 |
50分 |
40分 |
90分 |
120分 |
出題形式 |
四肢択一 |
四肢択一 |
記述 |
記述 |
出題数 |
30問 |
25問 |
3問 |
2問 |
回答数 |
30問 |
25問 |
2問 |
1問 |
午前Ⅰは、同日に実施される応用情報技術者試験の午前問題を基に出題されます。
過去2年以内に以下条件を満たしている場合のみ午前Ⅰは免除されます。
- 応用情報技術者試験に合格
- 高度技術者試験に合格
- 高度技術者試験の午前Ⅰに合格
午後Ⅰ・Ⅱは、問題を選択し全て記述となります。合格点は各セクションで60点を取ることです。万が一午前Ⅰで不合格だった場合、それ以降のセクションは採点されません。
受験するメリットは??
当然ですが、データベースに関して多くの知見を得ることができます。
みなさんは実務で、「このクエリ遅いな〜」「ロックが発生したけどどうしたらいい?」「DB設計どうやるの?」などの経験はありますか?
私はこれら全て経験があります。これが実務で発生した際、私はこの試験の勉強をしていなかったため、当時は先輩エンジニアから助言をいただきながら実装を進めたことが印象に残っています。
ですが、これらの課題はこの試験を勉強しておくことで解決できるようになります。なぜなら、これらの問題に対する解決策が求められるような試験だからです。
ですので個人的には、もっと早く勉強していれば自走できていただろうし、アドバイスできたこともあっただろうなと後悔しました。
勉強期間と勉強方法
勉強期間
2024年5月中旬から始めました。
時間で言えば、平日に1~2時間、休日に4~5時間勉強していました。
もちろん毎日ではないです。。
勉強方法
◎午前Ⅰ
午前Ⅰの勉強から始めました。まずは「情報処理教科書 高度試験午前Ⅰ・Ⅱ 2024年版」で勉強をし、応用情報の過去問で大体6〜7割が取れるようになってから午前Ⅱの対策へ移りました。この期間は約3週間で、試験の1週間前にも過去問を解き、確認を行いました。
◎午前Ⅱ
午前ⅡはDBに関する問題が多かったため、初めに過去問を解いた際に8〜9割取れていたので、あまり深く対策はしませんでした。
おすすめの参考書
-
情報処理教科書 高度試験午前Ⅰ・Ⅱ 2024年版
- 出題傾向から、頻出問題をまとめた参考書で、午前Ⅰ・Ⅱの両方に対応しています。なので午前両方を一緒に対策をしたいor頻出傾向の高い問題を効率よく勉強したいという方にはおすすめです。
- 応用情報の過去問で余裕で8割以上取れる&午前Ⅱも心配ないという方は不要かもしれません。
◎午後Ⅰ
午後Ⅰは午後Ⅱの対策を行うことで十分にカバーできるとのことだったので、先に午後Ⅱの勉強に取り組みました。午後Ⅱの過去問を約5年分解いた後に、午後Ⅰの問題も解いてました。実際に解いてみて、午後Ⅱと大差はありませんでした。午後Ⅱが解ける方は必ず午後Ⅰも解けます。
◎午後Ⅱ
午前の対策が終わった後に午後Ⅱの勉強を始めました。まずは「データベーススペシャリスト教科書」を一通り読み、その後にUdemyの講義を視聴しました。(私は資格支援制度を利用して、Udemyの費用を会社に負担してもらいました。)
その後は、「2023-2024 データベーススペシャリスト「専門知識+午後問題」の重点対策」を使用しながら過去問の回数をこなすといった流れで勉強しました。
午後は、IPAの公式から過去問を印刷し過去7年分くらいは解きました。
また、参考書の言っていることがわからない時や、「なんでこうなるの?」という時はAIを使いながら勉強をしていました。弊社ではGAIという自社開発アプリがあり、画像解析機能があるため、参考書の写真を取りGAIに投げて解説をしてもらったり壁打ちをして、理解を深めることができました。
例えば、平成31年午後Ⅱ問1の表10・問い合わせAについて、処理の流れがイメージできなかったため、GAIに尋ねてみました。
キャプチャの通り、処理の流れを順を追って丁寧に説明してくれたおかげで、理解することができました。このような場面では、GAIを活用して解説を受けたり、相談、壁打ちをしてもらうことで、理解度を大幅にアップさせることができます。
おすすめの参考書
-
データベーススペシャリスト教科書
- この試験を受験するのにあたって最低限必要だと思います。DBの基礎からセキュリティ、午後の対策についての情報が揃っており、この参考書に書いてあることがわからないと合格は難しいです。
- Udemy 石田宏実さん
- 参考書の著者直伝!「データベーススペシャリスト」試験 午後1対策講義
- 参考書の著者直伝!「データベーススペシャリスト」試験 午後2対策講義
- わかりやすく解説してくれるので頭に入りやすいですし、解き方のイメージやコツを掴めるので午後問題に取っ付き易くなります。午後問題が全く解けないという方におすすめです。
-
2023-2024 データベーススペシャリスト「専門知識+午後問題」の重点対策
- Udemyなどで解き方のイメージやコツは掴めても、実際に自力で解くと、全然正確に解けないということがありました。間違えた部分とこの参考書を照らし合わせることで、自分が間違えやすい問題傾向や、間違った思考のクセを正すことができます。ある程度自力で解けるが6割には届かないという方にはおすすめです。
受験をしてみて…
受験をしてみて、振り返ってみて、感じたことがたくさんありました。
- すごい体力勝負
- 午前Ⅱの対策をしておけばよかった
- 午後の過去問を1つずつ丁寧に取り組めばよかった
- もっと早く自力で解く時間を設けておけばよかった
まず1つ目、予想以上に体力勝負になります。試験時間だけでも合計7時間は拘束されます。午後には眠気が襲ってきますし、長時間座っているため、体が疲れてしまいます。
なので、午前Ⅰの免除があるとかなり体力的に救われると思います。必須ではないですが、できることなら免除できていると午後は余裕持って取り組めます。
2つ目は、午前ⅡはDBに関する問題が多いと思っていたので、特別対策を行なっていませんでした。ですが、20~25問くらいはDB以外の問題で、対策しなかったことを後悔しました。午前Ⅱは25問しかないので、5問外すだけでもかなり大きな失点となります。
3つ目は、過去問の数をこなすだけになっていたことです。一度解いた問題は記憶に残るため、新しい問題に挑戦していたのですが、この時必要なのは、「間違えた問題をいかに正しく認識し、次の問題でどれだけ活かせるか。」ということです。私の場合、振り返りがテキトーなまま次の問題に着手していたので、過去問を無駄に消費しただけとなり、かなりもったいなかったです。ですので過去問は1つ1つ丁寧に使うことをおすすめします。
4つ目は、Udemyでの勉強に時間をかけすぎて、自力で解いた時に、自分がどれほど未完成な状態かというのを思い知りました。Udemyを視聴していた時には、もうこれでできるぞ!などと思っていましたが、実際に自力で解いてみると正確に答えられないことがたくさんありました。これを試験1ヶ月前に気づいたのですが、気づくのが遅かったです。もっと早く気づくことができていれば、間違った認識を正し、正解率を上げることができただろうと感じました。
総じてデータベーススペシャリスト試験の合格を目指すなら、「どんな過去問でも平均して8割は取れる」という状態でないと合格は難しいように感じました。
最後に
最後まで読んでくださりありがとうございました。
私の体験談を通じて、少しでもDBに興味を持ってくれたり、来年受験してみようかなという気持ちになってくれたら嬉しいです。
この勉強を通じて、エンジニアとしての「データベース(DB)」スキルを強化できたと実感しています。DBが好きな私にとってはとても良い経験でした。
今後も専門性を高めながら、より一層の成長を目指していきます。