人的資本経営

資本とは何を示すべきなのか?

株式会社divx 取締役社長 兼 執行役員 CEO

物部英嗣

株式会社divx 取締役社長 兼 執行役員 CEO 物部英嗣

プロフィール

新卒でNTTのグループ会社にてエンジニアとしてキャリアをスタートし、いくつかのベンチャーのCEOやCTOを歴任し、上場に貢献。マネージャー、エンジニアとして、Webサービス、ゲーム、アプリ開発の自社サービスもクライアントワークも経験しており、関わったプロジェクトは大小合わせて数百を超える。
2020年8月株式会社div入社。2021年1月に株式会社divx創業。取締役社長就任。

四半世紀のITサービス経営の経験を経て思うこと

私がこのITサービス業界に身をおいてから、もう四半世紀近くが経ちました。加えてここ10数年間は良縁をいただき、いくつかの企業で経営をお任せいただきました。MBAのような経営学を机上で勉強をしたことは残念ながらありませんが、その分実務経験の中で経営というものに向き合ってきたと自負をしています。しかしながら何度も会計処理や決算をする中で、専門の先生から財務や会計の知識をご教授いただいてきましたが、本音では一般的な「資本」の考え方と、われわれのようなITサービスを展開する企業における「資本」の実情が、あまり合致していないと感じています。

ITサービス業界の真の資本の再定義

ナゾナゾのような問になりますが、資本とは何を示すべきなのでしょうか。事業の元手を示すという解釈が一般的かとは思いますが、ことにわれわれITサービス業界において、貸借対照表の現預金や固定資産は、本当に事業の元手を指し示せているのでしょうか。私は直感的にも体験的にも、これはちょっと違うと思っています。いくらお金や設備があっても、ITサービスを実際に提供するエンジニアなどのクリエイターがいなければ事業は成立しません。逆にお金や設備がなくても、せいぜい少額資産程度のパソコンとクリエイターさえいれば、十分に事業は成立するのです。つまり事業の元手は確定的明らかに、企業に所属するクリエイターたちと、その総生産量そのものです。

代替不可能な資本という新しい労働力概念

かつてマルクスは似たような考え方として労働力(Laborpower)を定義しました。しかし当時の市場においては肉体労働機能や生産補助機能が労働力
の主要因であったがゆえに、安易に代替可能であるとされました。ゆえに労働力が生み出す余剰利益はそのまま資本家に搾取されるという構造を招き、問題提起もなされました。結果として資本家と労働者という不平等なパワーバランスを招くというのが資本論の一解釈です。しかしながら時代は進化し、肉体労働や生産補助機能以外の労働力が格段に増えてきました。最たるものとして、現代のITサービス業界の従業員は、代替しがたい知識、経験、技術という専門性をもっています。つまり安易に代替可能ではない、新しい労働力の概念として確かに存在します。私はこれこそが業界における「資本」を正しく示すものなのではないかとの仮説を持ちながら経営をしていました。

弊社の経営の本質は人的資本の成長と拡大

ここ数年で、世の中では人的資本が注目されるようになりました。体系的に経営学を学んでこなかった私が知らなかっただけなのかもしれませんが、この人的資本の概念を知ったとき、先の仮説がちゃんと説明できるなと安心をしました。もちろん人的資本には様々な解釈がありますが、私としては知識、経験、技術など、他人と共有することはできるが、譲渡や移転は出来ない専門性を身に着けた、代替不能な従業員を会社における資本だときちんと認めたものだと考えています。その解釈であれば、人的資本は確かに事業の元手と説明できます。この人的資本をどのように拡大、成長させていくか、これこそが弊社の経営の本質であり本題なのです。

専門性を共有出来る環境が企業価値を向上させる

一方、近年業界的にはフリーランスがもてはやされています。クリエイターそのものが資本であり事業の元手ならば、従来の株式会社の枠組みに自ら所属するメリットは希薄化します。しかしながら人的資本の成長という観点でみたときに、そこには恐らく落とし穴があるのです。つまり繰り返しになりますが、人的資本を成立させる要素は、他人と共有可能な知識、経験、技術等の専門性です。フリーランスとして独立して事業を営むよりも、多くの仲間と共に専門性を共有しながら知識、経験、技術をさらに身に付けられる企業があるとするならば、大きな自己資本の拡大メリットになるはずです。私達の存在意義はまさにそこにあります。

前置きがとても長くなりましたが、

株式会社divxは、われわれの最大資本である人的資本を成長させるための投資、育成計画をここに立案、公表し、人的資本の総量で示されるべき真の企業価値を高め続けることをここに宣言するものです。

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