divxで学んだロケットスタートを切る姿勢と成長とのつながり
目次[非表示]
- 1.はじめに
- 1.1.「ロケットスタートを切る」とは
- 2.なぜ、ロケットスタートについて考えるのか
- 3.どう実践すればよいのか
- 3.1.準備が大切
- 3.1.1.問題を理解する
- 3.2.速く進める工夫をする
- 3.3.作業中の工夫
- 4.積極的にロケットスタートに挑戦する
- 5.参考文献
- 6.お悩みご相談ください
はじめに
こんにちは!株式会社divxの大戸です。divxで私が学んだことの中で特に重要だと感じているのは、「ロケットスタートを切る」というアクションです。
「ロケットスタートを切る」とは
divxには、生産性高く働くことを目的としたワークルールが定められています。「ロケットスタートを切る」とはその中にある項目のひとつで、ひとことで言うと「最速で残作業ゼロの状態を目指す」という意味です。「残作業」とはここでは「手がついていない・または終わる見通しが不確かな作業」を指します。
例えば1週間後が期限のタスクであれば、最後の2日ほどでラストスパートをかけて終わらせるのではなく、初日からラストスパートであるかのように必死で進め、3日目にはほぼ終わっている状態にする、といった行動が当てはまると思います。
私は、このルールにあるアプローチは業務を効率的に進めるために大事な行動指針のひとつであると同時に、エンジニアとしての成長にも寄与するものだと考えています。
この記事では、「ロケットスタートを切る」について、
なぜ考える必要があるのか
どう実践すれば良いか
どのように成長に繋がるのか
というポイントから、経験を元にした知見を共有できればと考えています。
特にエンジニアになりたての方が、仕事を素早く進める方法について考えを深める際の参考となれば幸いです!
なぜ、ロケットスタートについて考えるのか
エンジニアになりたての方は、しばしば「仕事の速さ」や「タスクの期限」に関して以下のような問題にぶつかることもあるのではないでしょうか。
- 分からないことが多い中でタスクを期限までに終わらせられるかが不安
- 作業全体の見通しを立てることが難しい
- タスクを進めるうちに新たな課題が次々と生まれてしまい、作業時間が想定より増加してしまう
- スムーズに進んだタスクについても、なぜ予定通りに進めたのか?が明らかではなく再現性の低い状態になってしまう
これらの問題を抱えると、エンジニアとしての成長やプロジェクトの成功に影響を与える可能性が高くなります。そのため、最速で残作業ゼロの状態を目指す「ロケットスタート」について考えることは重要です。
どう実践すればよいのか
このセクションでは、「ロケットスタートを切る」の実践について学んだことを共有させて頂きます。これが唯一の正解という主張ではなく、あくまでこのテーマについて考えるきっかけになれば幸いです。
準備が大切
私自身かつて「思ったより作業に時間がかかってしまう」ということがあった反省から、まず大切なのは作業を始める前の準備だということを学びました。この準備について、「問題を理解する」という視点から整理してみます。
問題を理解する
まず、作業時間が大体見積もれるレベルまで問題(作業内容)を理解することが必要だと思います。作業時間の見積もりがあれば、期限までの時間と照らし合わせて、このまま進めて良いか・もっと速くする工夫をするべきか、判断することができるからです。逆に、見積もりがない・あるいは見積もりが粗かったせいで、私自身、次々に発生する予期しないタスクに悩まされてしまうことがありました。
例えば実装作業であれば、実装に入る前に、仕様について確認したり、問題点や理想の状態を手元で再現して確認してみたりします。不明点があれば周りに質問・相談し、早めの段階で潰します。作業時間を見積るためには具体的な作業内容が分かれば良いので、「こうすれば実装できそう、という具体的な仮説が立つか」を問題を理解できたかの判断軸にすると良いと考えています。
一方で、問題の理解について完璧を目指しすぎないことも大切だと思います。実際、私自身、問題を理解しようとして時間をかけすぎてしまう、という本末転倒な失敗をしてしまったことがありました。ひとりで考えて時間がかかりそうなら周りにサポートを求めるなどによって、問題の理解は素早く進めるべきだと学びました。
速く進める工夫をする
問題を理解できて、作業時間の見積もりをした後、それを元に必要であれば作業を速く進める工夫を考えます。速くする必要があるかどうかはその時々において考えるべきだと思うのですが、中島聡氏の著書「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である (文響社,2016)」で提案される「ロケットスタート時間術」は参考になると思います。これの考え方のベースになっている、「期限までの2割の時間で仕事の8割を進める」ことが実現可能かを判断軸にするのは一つの良い方法だと思います。
具体的な工夫については、以下の3つが大事だったと思っています。
- 知識を補強する:必要な技術・知識に未知のものがあると分かった際にキャッチアップを急ぐ。
- その日の振り返りをする:その日の作業について反省点とアクションを考える・効率化できる部分を考える。
- とにかく相談しながら進める:不確実な要素が多すぎる場合は、無理にひとりで進めようとするのではなく、周りに積極的にサポートを求めながら進める。
作業中の工夫
最後に、ロケットスタートを切るには、作業中において報連相を徹底すること・作業ログ(作業の進捗などの記録)を残すことが重要だと学びました。これは、周りからのサポートを受けやすくすることが目的です。作業方針や進捗について周囲との共有ができていれば、改善点についてフィードバックを頂いたり困った際の相談がしやすくなり、結果的に作業を速くすることに繋がります。
積極的にロケットスタートに挑戦する
このような実践と私自身の経験を振り返って、ロケットスタートを切ろうとすることが成長に大きく寄与したと感じました。ロケットスタートを切ろうとすることで、例えば、問題を理解するために知識や仕様のキャッチアップが進んだり、作業の進め方についての振り返りをこまめに行う必要が生じたり、報連相の質を上げる必要が生じるからです。
私は最初、ロケットスタートは実力を付けていくうちに徐々にできるようになるものだと思っていました。しかし、むしろ新人のうちからロケットスタートを切ろうとすることで、成長のチャンスを多く得られるのだと今では考えています。
積極的にロケットスタートに挑戦することで、エンジニアとしての成長機会を最大化しましょう!
参考文献
なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である,中島聡,文響社,2016